ST diary

文化的なものやひととの触れ合いを通して日々感じたこと、考えたことを綴る、些細で個人的な自由日記帳。

名曲アルバムプラスがすこぶる面白い

私はよく仕事や家事のおはやし代わりにテレビを付けっぱなしにして作業をすることがある。とはいえ、チャネルを変えるほどマメではないのと、受信料も払ってるしと言う気持ちが働き、ほぼNHK一択で放置している。(したがって、うちのテレビのリモコンは、ほぼ電源ボタンくらいしか活用していない。)

番組表も確認せずにつけておくものだから、時々偶然面白い番組を発見して嬉しくなることがある。

今日出逢った、「名曲アルバム+(プラス)」もその一つ。

そろそろ消そうとリモコンを手に取り、流れている映像に釘付けになって消すことができなかった。淡々と流れるカルドーゾ作曲「レクイエム」に合わせて、真っ黒な画面に白い手書き調イタリック文字が綴り字で、音程と音の長さに合わせながら、連綿と綴られていく。文字の楽譜のよう。中世音楽の解説番組かなと、番組の正体が知りたくなり「画面表示」のボタンを押す。右上に現れた番組名表示には、「名曲アルバム+(プラス)」と。

なんと!

名曲アルバム、やるではないか。

その名曲アルバム「プラス」の正体を探ろうと、今度は「番組紹介」のメニューに移る。すると、「名曲アルバム+(プラス)は気鋭の映像作家とのコラボレーションを通して、音楽への多様なアプローチや新たな楽しみ方をお届けします。」とな。

面白い!

私はIT系某有名大企業に昨年から偶然勤務することになったけれど、この会社の採用基準を本当にクリアしたのかと自分でも不思議になるくらい、技術に関しては基本コンサバである。なので、文化活動においても、あまり最新技術とアナログ時代の文化の融合みたいのには興味がないのだけれど、これは別だった。

闇雲に、最新技術を活用することによる「刺激」に誤魔化されず、この新しい楽しみ方の様式(視覚情報と聴覚情報の両方で「音楽」を味わう)に触れて、より感覚的に音楽を「読ん」でから、また改めて古い楽しみ方(聴覚情報のみ)に戻って味わうことができると感じたからだ。

おそらく、今回の選曲ともマッチしていたのだと思う。

(※ちなみに、NHKプラスで現在視聴可能な別の作品、ショパン作曲「幻想即興曲」の方は、具体的な情景をアニメで描いたものがベースになっていて、「みんなの歌」のクラシック版を超えるものではなく、あまり面白くはなかった。私は具体的な人工的情景=つまり自然やドキュメント的画像以外の映像が、オペラ以外の音楽に添えられるのがそもそも好きではない。)

今回はおそらく、とても運よく私好みの回にめぐり逢えたということだと思うが、今後も時々気にしていたい番組となった。